「全てのことは益になる」


「すべてのことは益になる」



先日新潟に行った時、郷土資料館でこんな記事を見ました。
それは、明治7年のことです。
フランスよりサーカスの一団が新潟にやって来ました。その中の一人、イタリア人ピエトロ・ミリオーレは、玉乗りの曲芸中に怪我をし、その為、帰国できずに新潟に取り残されてしまいました。
でもその出来事を知り気の毒に思った当時の新潟県知事が、資金を与え牛鍋のお店を持たせました。そのお店、文明開化の波に乗って繁盛し、ミリオーレ自身も「ミオラ」と呼ばれ、人々にとても愛されました。ところが、明治13年の大火によって店は焼失してしまいました。ミリオーレは大変失望し、イタリアに帰ろうとしましたが、彼を助けたいという人々が次々に現れ、それらの人々の支援により明治16年、日本でも最初の本格的西洋レストラン「イタリア軒」が生まれたそうです。そしてイタリア軒は「これぞ、新潟の鹿鳴館」と称賛されるようなレストランとなり、その後は、ホテルになり現在も存続しているそうです。



聖書の中には、「神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています」(ローマ人への手紙8章28節後半)という言葉があります。私たちも、その時には分からなくても、後になって振り返ってみると最善だったことがあるものです。困難な状況のただ中にあっても、この出来事もきっと益になるという気持ちを持って歩みたいものです。

2017年04月13日