「そういうものにわたしはなりたい」


「そういうものにわたしはなりたい」  

雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 

丈夫なからだをもち 慾はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている 一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ あらゆることを 自分を勘定に入れずに よく見聞きし分かり そして忘れず 野原の松の林の陰の 小さな萱ぶきの小屋にいて 

東に病気の子供あれば 行って看病してやり 

西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を負い 

南に死にそうな人あれば 行ってこわがらなくてもいいといい 

北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろといい 日照りの時は涙を流し 寒さの夏はおろおろ歩き みんなにでくのぼーと呼ばれ 褒められもせず 苦にもされず そういうものにわたしはなりたい。

この詩は宮沢賢治の「雨にもまけず」です。彼は仏教徒でしたが、斉藤宗次郎というクリスチャンの姿をみてこの詩を書いたと言われています。斉藤さんは、村の人々にとても慕われていた人でした。そして、賢治もこの人のようになりたいと思い、この詩を書いたのです。

いよいよトランプさんがアメリカ大統領になりました。社会的弱者の支持を得て当選したと言われています。でも、本当に慕われる大統領になるのだろうか。アメリカのリーダーの為に祈らなくてはと思いました。

2017年04月13日